第69回日本呼吸器学会中国・四国地方会　 会長　篠原　勉 徳島大学大学院医歯薬学研究部　地域呼吸器・総合内科学分野

　この度、第69回日本呼吸器学会中国・四国地方会を、徳島市において開催いたします。伝統ある本学会の運営を担当する機会をいただき、大変光栄に存じます。
　今回の冬季地方会も例年通り、第32回日本呼吸器内視鏡学会中国四国支部会ならびに第74回日本結核・非結核性抗酸菌症学会中国四国支部会との合同開催となります。其々の学術集会の西岡安彦会長、葉久貴司会長と協力し、3学会の会員の皆様にご満足いただけますよう、努めてまいります。
　COVID-19のパンデミックや世界各地の紛争は、持続可能な医療の実現が容易ではないことを浮き彫りにしました。医療アクセスや予防策の制限による健康格差が拡大し、医療の質の向上や普及がより重要となっています。疾病の早期発見と最新の研究成果や治療ガイドラインに基づいた全人的な医療の提供のみならず、疾病とその予防策の啓蒙、学術交流や国際的な連携によるベストプラクティスの共有、地域や国内外における医療提供体制の構築への積極的な関与など、呼吸器科医に求められるものはより多岐に及んでいます。本地方会では、呼吸器領域における学術研究の成果や専門知識の共有、教育・啓蒙活動および情報発信を医療従事者と企業が連携して促進してきましたが、中国四国地区におけるプラットフォームとしての役割はより大きくなっています。今回も、広範な知見を共有するとともに、世代や立場に拘わらず呼吸器診療の重要性と魅力を再認識できる機会となれば幸いです。
　本学術集会は、COVID-19の５類感染症への移行に伴い、現時点では現地での口演のみで開催する予定です。多くの方々の演題登録とご参加をお待ちしておりますので、ご支援とご助力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。徳島の地で、様々な情報交換や交流を通して、有意義な時間を過ごしていただけますよう、心から願っております。

第32回日本呼吸器内視鏡学会中国四国支部会 会長　西岡　安彦 徳島大学大学院医歯薬学研究部　呼吸器･膠原病内科学分野

　この度、第32回日本呼吸器内視鏡学会中国四国支部会の会長を務めさせていただきます徳島大学大学院医歯薬学研究部 呼吸器・膠原病内科学分野の西岡安彦です。このような機会をいただき大変光栄に存じますとともに、関係の先生方に心より御礼申し上げます。
　例年通り、第69回日本呼吸器学会中国・四国地方会の篠原 勉会長および第74回日本結核・非結核性抗酸菌症学会の葉久貴司会長と協力し、3学会合同で2023年12月16日（土）17日（日）に徳島市のあわぎんホールで開催させていただきます。
　冬の地方会は、2013年2月に当時の日本結核病学会と日本呼吸器内視鏡学会の合同地方会が開催されて以来、実に10年10か月ぶりの徳島での開催となります。徳島大学の呼吸器外科の先生方にもご協力いただき準備を進める予定です。
　近年の気管支鏡技術の進歩は目覚ましく、EBUS-GS法やEBUS-TBNA法に加え、肺生検クライオバイオプシー（transbronchial lung cryobiopsy，TBLC）の普及が進んでいます。肺がんのドライバー遺伝子診断やPD-L1発現診断における気管支鏡下生検の重要性は益々高まるとともに、EWSを用いた気管支充填術、ステント留置、レーザー治療などの気管支鏡インターベンションも日常臨床の現場になくてはならない重要な治療です。一方、学会運営においても「気管支鏡実技セミナー」「寺子屋セミナー」「渡辺洋一記念奨励賞」など呼吸器内視鏡学会独自の企画により充実したプログラムが行われるようになっており、第32回においても気管支鏡に関する最新の情報を提供でき、気管支鏡の魅力に直接触れることができるプログラムを予定しています。
　また、ポストコロナ時代を迎え、改めてon-siteに集う学会の魅了を満喫できる学会、若手医師が楽しめる学会を目指して準備をさせていただきたいと考えております。「優秀演題賞」の選考も予定しております。たくさんの皆様の演題登録ならびにご参加をお待ちしております。 何卒ご協力の程、よろしくお願いいたします。

第74回日本結核・非結核性抗酸菌症学会中国四国支部会 会長　葉久　貴司 徳島県立中央病院　呼吸器内科

　この度、第74回日本結核･非結核性抗酸菌症学会中国四国支部会を、2023年12月16日(土)・17日(日)に、あわぎんホール（徳島市）において開催させていただくこととなりました。伝統ある本学会の会長を拝命し、大変光栄に存じております。
　日本結核病学会は、1923年（大正12年）に北里柴三郎博士らを中心に設立され今年で100年目を迎えます。設立当時の日本では結核による死亡者も多く「国民病」として恐れられていましたが、官民挙げての研究・対策で患者数が減少し、2021年日本における結核罹患率（人口10万対）は9.2と、結核低蔓延国となりました。一方、中国四国9県の状況は、前年より新登録患者数が増加している県が２県あり、徳島県では、結核罹患率12.9と全国ワースト3位となっています。臨床現場では、結核を常に呼吸器疾患の鑑別に挙げる必要があるにも関わらず、教育機会の減少や臨床経験の不足により、結核に対応できる医療従事者が少なくなることが危惧されてきました。そのような中で、非結核性抗酸菌症（NTM症）患者数の急速な増加を背景に、2020年より日本結核・非結核性抗酸菌症学会と名称変更されました本学会のホームページには、ガイドラインや見解等多くの情報が発信されています。本学術集会では、これら情報を多くの医療従事者に広報すると共に、研究成果の発表を通して新たな知見を得ていただきたいと思います。
　新型コロナウイルス感染症が、5類感染症に移行されたことを踏まえ、多くの皆様を徳島にお迎えして実り多い学会となるよう鋭意準備してまいります。今回も、日本呼吸器学会中国･四国地方会、日本呼吸器内視鏡学会中国四国支部会と3学会合同で開催させていただき、優秀演題賞も準備しております。学会員はじめ、多職種の皆様の様々な視点からの演題発表とご参加をよろしくお願い申し上げます。