第28回日本異種移植研究会
第62回日本移植学会総会
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ご挨拶
第28回日本異種移植研究会
当番世話人  宮川 繁

大阪大学心臓血管外科 教授
 このたび、多くの先生方、関係各位のご理解とご協力を賜り、第28回日本異種移植研究会を開催させていただく運びとなりました。ここに深く御礼申し上げます。
現在、臓器移植は重篤な臓器不全症例に対する根治的治療法として確立されていますが、日本を含む多くの国々において、依然として慢性的なドナー不足が最大の課題となっています。特に心臓、腎臓、肝臓といった生命維持に不可欠な臓器において、適切なドナーを待つ間に患者が亡くなる事例は少なくなく、臓器移植医療の限界が顕在化しています。
 この問題を根本的に解決しうるアプローチとして、異種移植(Xenotransplantation)は世界的に急速な進展を遂げています。遺伝子改変ブタを用いた心臓および腎臓移植の非臨床・臨床研究は、米国を中心に第一例目のヒト臨床応用がなされるに至り、その臨床的妥当性、安全性、免疫抑制戦略などについて新たな知見が蓄積されつつあります。また、機能維持期間の延伸、拒絶反応の抑制、異種ウイルス(PERV等)のリスク管理といった課題に対しても技術革新が進みつつあり、移植医療のパラダイム転換が現実味を帯びてまいりました。
 一方、日本における異種移植の実装には、科学的課題のみならず、法的・倫理的側面を含めた包括的な議論が不可欠です。再生医療等安全性確保法、感染症法、臓器移植法などの関連法規に基づく適切な制度設計と、社会的合意形成が重要なテーマとなっており、これらについて多角的かつ丁寧な議論を重ねていく必要があります。
 本研究会は、異種移植に関連する基礎医学、免疫学、移植外科、感染症学、倫理学、法学など、幅広い分野の専門家が一堂に会し、学際的な議論と最新知見の共有を行う場として設立されました。世界的な潮流を踏まえつつ、日本における異種移植の在り方と実現への道筋を明確にし、安全かつ効果的な臨床応用を目指した建設的な議論を積み重ねていこうと考えております。
 本研究会開催にあたり、多くの先生方、研究者の皆様のご理解とご尽力に心より感謝申し上げますとともに、本分野に関心を寄せる皆様の積極的なご参加と忌憚ないご意見を賜れますよう、お願い申し上げます。