第40回 日本ヒト細胞学会 学術集会
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会長挨拶
会長挨拶
第40回 日本ヒト細胞学会 学術集会

大会長 石川 隆紀

大阪公立大学大学院医学研究科法医学
 新型コロナウイルスが当初日本で確認された時には、半年程度で治まると言われておりましたが、すでに3年以上の月日が経ち、未だ残念なことに世界を観ると落ち着く気配はございません。世界の医療がいかにもろく、また最先端の医学にも限界があることを思い知らされた3年間であったように思います。一方、下を向くニュースばかりではございません。この日本ヒト細胞学会は、今年で40回を迎え記念すべき大会となりました。学生時代からこの会に、参加させていただいた私にとっては、ある種特別な思いのある会でございますが、法医学を専攻した私が大会長を引き受けることになるとは思ってもおりませんでした。本来であれば、学会の設立の趣旨から考えれば、再生医学・癌など、疾患の病態生理を中心としたテーマにすべきとは思いましたが、本大会を仰せつかった時から決めていたテーマがございます。それは、なぜヒトは生を受け、そして死に向かうのか。医学の根本となるテーマではございますが、法医学という学問を学べば学ぶほど、なぜヒトは死に向かい、あらゆる生体内物質を変化させる必要があるのか、分からなくなることがございました。そこで、この40回記念大会を期に、ヒトの生と死という根本に目を向け、本大会のテーマを「生から死・死から生を学ぶ:-疾患が細胞環境に与える変化と影響-」とさせていただきました。今回、このテーマに賛同していただいた筑波大学の丸島先生の御力をお借りし、多数の先生方に特別講演などをお願いさせていただきました。また各先生方からは貴重な一般発表も提示していただき、この40回記念大会を盛り上げる意義のあるテーマばかりで、感謝の気持ちであふれております。
 未だ、3年前の状況からは程遠いものの、この日本ヒト細胞学会は、今後も大きく羽ばたいていくものと信じ、若輩者ではございますが、その発展のために、今後も努力を惜しまず、実務・研究・教育へと精進していく所存でございます。
 少しでも皆様が勉強になったと感じられるような会にいたしますので、何卒、よろしくお願い申し上げます。
令和4年4月吉日
副会長挨拶
第40回 日本ヒト細胞学会 学術集会

副会長 丸島 愛樹

筑波大学医学医療系
 この度、第40回記念大会の副会長を拝命しました筑波大学医学医療系の丸島愛樹と申します。脳卒中や外傷性脳損傷など脳神経領域の疾患を専門としております臨床医で研究者です。近年のヒト細胞医薬や再生医療の進歩は著しく、研究室で開発された細胞がベンチャー企業や製薬企業での開発を経て、臨床試験が次々と行われています。一方で、それらの細胞の生体内における作用、そして疾患が細胞に与える影響は十分に解明されていると言えません。疾病や外傷という通常とは異なる特殊な生体内の環境において、投与・移植されたヒト細胞がどのような変化を受けて、ヒトに影響を与えるのか、多様な疾患と病態がある中で明らかにされていく必要があります。このような再生医療がもつ課題を理解し、研究の初期段階から解決する方法を模索する取り組みが見られており、ヒト細胞を用いた新たな医療を生み出してくれることを期待しています。栄えある第40回記念大会におきまして、多くの参加者の皆様と未来のヒト細胞を用いた治療について、そして、石川大会長の掲げたテーマでもありますヒトの生と死という観点を、ヒト細胞の視点からも捉えていければと考えております。本大会の成功のために、また皆様にとって実りある学会となりますように、尽力させていただく所存でございます。