第2回日本石綿・中皮腫学会学術集会 および市民公開講座の開催にあたって 第2回日本石綿・中皮腫学会学術集会　会長 青江 啓介 国立病院機構山口宇部医療センター　内科系診療部長

　さて、このたび、第2回日本石綿・中皮腫学会学術集会および市民公開講座を開催させていただくことになりました国立病院機構山口宇部医療センターの青江啓介です。
　学会としての学術集会は第2回と歴史は浅いと思われるかもしれませんが、その前身は、「石綿・中皮腫研究会」および「日本中皮腫研究機構」という2つの学術団体で、石綿関連疾患あるいは中皮腫に関するさまざまなテーマに対して真摯に研究、議論を行ってきた歴史を持っています。石綿関連疾患および中皮腫は、社会的にも、臨床的にもきわめて興味深い領域です。いずれも比較的まれな疾患ですが、その発症のメカニズム、診断技術の向上、新規治療法の開発、社会的対応など話題はきわめて豊富です。2019年9月に第1回日本石綿・中皮腫学会学術集会および市民公開講座が愛知県がんセンターで開催され、実り多い学術集会となりました。本来、2020年秋に本学術集会を開催する予定としていましたが、新型コロナウイルス感染症の広がりを受け、1年間の延期をさせていただきました。今回は2021年8月28日（土）・29日（日）に山口県山口市の山口県健康づくりセンターでの開催を念頭に準備してまいりましたが、非常事態宣言やまん延防止等重点措置の発出など、再び新型コロナウイルス感染症の広がりが予測困難な状況となり、現地開催を断念し完全WEB開催とすることといたしました。互いに直接対面して議論することはできませんが、学会出張の可否を所属施設で許可をとるなどの手続きは不要となりました。ここ1年間、すでにいくつかの学会でWEB開催が行われています。移動する時間や手間を省き、興味ある最先端の情報にアクセスすることができる貴重な手段となりつつあるように思われます。
　この利点を生かし、現地開催以上に身近に感じられる、広がりをもった学術集会にできればと思います。基礎的な研究から症例報告、臨床研究まで石綿関連疾患と中皮腫に関する演題を広く募集しています。奮ってご参加の程お願い申し上げます。