第39回日本小児心身医学会 学術集会 会長 牛田 美幸 国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センター 児童心療内科 |
はじめに、新型コロナウイルス感染拡大におきましては、お亡くなりになられました方々に謹んで哀悼の意を捧げますと共に、罹患されました方々に心よりお見舞い申し上げます。
このたび、2021年9月23日(木/祝)~25日(土)の3日間、香川県高松市におきまして第39回学術集会を開催させていただくことになりました。このような機会をいただきましたこと、たいへん光栄に存じます。
近年、子どもの心の問題はかつてないほど深刻なものとなっております。
心身症はもとより、不登校、ひきこもり、子どものうつ、子どもの自殺、発達障害、ゲーム依存、薬物依存、子どもの暴力、子ども虐待、DV … 問題は快挙にいとまがありません。
一方、コロナウイルスの流行で生活は一変し、私たちはマスクで顔を隠し、人との距離をとるようになりました。身近な人ともデバイスを通じてやりとりをするようになりました。そのような中、私たちの間には感染そのものへの恐怖はもとより、感染することで批判を受けるのではないかという恐怖、自粛警察といわれるような周囲のまなざしへの恐怖、雇用や経済活動の問題など生活の基盤に対する恐怖など、さまざまな恐怖がうずまくようになりました。このような状況が子どもの心に影響を与えていることは想像に難くありません。
今回のテーマは「“親と子の関係性”と子どもの心とからだ」といたしました。子どもの心の問題に“親と子の関係性”が深く関連していることは、多くの臨床家が感じていることと思います。本大会では、古くて新しいこのテーマに光を当てていきたいと思います。
特別講演は、動物の言葉と情緒の研究から「ヒトの心はどのように生まれたのか」を研究されている東京大学総合文化研究科の岡ノ谷一夫先生、アダルトチルドレンや共依存などの概念を日本に紹介された作家で精神科医の斉藤学(さとる)先生、疫学調査から子ども時代の被養育体験と健康の関連を研究されている九州大学病院心療内科の細井昌子先生にお願いしています。そのほか、教育講演、ワークショップ、シンポジウムなど準備しております。みなさま、ぜひ、ご参加ください。