第130回 日本小児精神神経学会学術集会
大会長挨拶
 このたび、2023年11月25日(土)、26日(日)に香川県高松市で第130回日本小児精神神経学会学術集会を開催させていただくことになりました。香川県での開催は初めて、四国でも橋本俊顕先生が大会長を務められました104回徳島大会以来13年ぶり2回目となります。このような機会をいただきましたこと、誠に光栄に存じます。
 さて、ここ10年、20年のあいだに、子どもの心の問題はかつてないほど深刻なものとなりました。急増する発達障害、子どものうつ、自殺、いじめ、子ども虐待、不登校、引きこもり、家庭内暴力 … 。情報は錯綜し、事態はどんどん複雑になっています。
 一方、今や、スマホ、タブレットは一人一台行きわたり、私たちおとなは何から何までネットに答えを求めるようになりました。自分の感覚に耳を傾けたり、感情を味わったり、じっくりものごとを考えたりすることをしなくなりました。自分にも相手にも心があるという実感がわきにくくなっているかもしれません。そのような中、最もごまかしがきかない相手が “子ども” なのかもしれません。そこで、今回はテーマを「愛着とメンタライゼーション」といたしました。
 基調講演では、メンタライゼーション研究会初代会長の白波瀬丈一郎先生から“メンタライゼーションと間主観性”、九州大学病院の山下 洋先生から“アタッチメント研究の最前線”、特別講演では、京都大学名誉教授の山野憲一郎先生から脳科学のお話し、精神・神経医療研究センターの松本俊彦先生からは“依存と自殺”のお話しを伺います。教育セミナーでは、心理即興劇を用いて学校でいじめ防止授業を展開されていらっしゃる宗像佳代さんからお話を伺います。シンポジウム(現地のみ)では、“医療者がメンタライズする”というテーマで、大正大学心理学部心理学科の池田暁史先生、井上小児科医院の井上登生先生、浜松市子どものこころの診療所の淵野俊二先生から症例(もしくはヴィネット)をあげてお話しいただきます。第一人者の先生方からお話を伺えるまたとない機会です。ぜひ、ご参集ください。
 今回、一般演題(現地のみ)は45題とたくさんのご応募をいただきました。みなさまには心よりお礼申し上げます。魅力的な演題ばかりです。活発なご討議を期待しております。
 さて、メイン会場はJR高松駅隣の高松シンボルタワータワー棟6階かがわ国際会議場です。窓の外には、おだやかな瀬戸内海が拡がります。会場にいらっしゃることができるようであれば、ぜひ、いらしてください。また、事後のオンデマンド配信のみの参加も可能です。一人でも多くのみなさまにご参加いただけることを願っております。
第130回日本小児精神神経学会学術集会
大会長 牛田美幸
国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センター 児童心療内科
 運営事務局:株式会社キョードープラス 〒700-0976 岡山県岡山市北区辰巳20-110 TEL:086-250-7681 FAX:086-250-7682 E-mail:jsppn130@kwcs.jp