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日本尿路結石症学会第36回学術集会 大会長 和田 耕一郎 島根大学医学部泌尿器科学講座 教授 |
このたび、第36回日本尿路結石症学会学術集会を、令和8年8月28日(木)・29日(金)の2日間、島根県松江市において開催させていただく運びとなりました。由緒ある本学会を、神話と歴史に彩られた島根の地でお迎えできますことを、島根大学泌尿器科一同、心より光栄に存じます。
本学会のテーマは、「石を見て、人を診て、技を魅せる」と、致しました。
この言葉には、尿路結石症に携わるわれわれ泌尿器科医が常に意識すべき三つの視点を込めました。すなわち、「石を見て」とは、結石そのものを科学的に観察し、形成機序・成分・形態などを理解しようとする研究者の姿勢を表し、「人を診て」とは、単なる疾患の治療にとどまらず、患者の背景にある生活習慣、代謝異常、心理的側面にまで配慮した全人的な診療を意味します。そして「技を魅せる」とは、治療技術の研鑽を怠らず、その確かな技を共有・発信する場として本学会を発展させたいという思いを表しています。
尿路結石症の診療は、体外衝撃波砕石術(ESWL)や経尿道的砕石術(TUL)、経皮的砕石術(PCNL・ECIRS)など、低侵襲手術の進歩により大きな変革を遂げました。さらに内視鏡技術やレーザー装置の改良、3D画像解析やAI技術の導入により、診断と治療は一層精緻化しています。しかしながら、結石形成の背景には代謝異常や生活習慣、遺伝的素因など多様な要因が関与しており、再発予防を含めた包括的管理には、依然として多くの課題が残されております。
本学会では、結石症の基礎研究から臨床応用、さらにはチーム医療や地域医療に至るまで、多角的な視点から議論を深め、結石診療の新たな展望を切り拓くことを目指します。
プログラムにおいては、国内外の第一線でご活躍の先生方による特別講演・シンポジウムをはじめ、若手医師を対象としたハンズオントレーニングなど、実践的かつ教育的意義の高い内容を多数企画しております。また、結石形成に関わる代謝・栄養学的研究、尿中バイオマーカーやマイクロバイオーム解析、AIを活用した画像診断支援など、最新の知見にも焦点を当てる予定です。さらに、多職種連携による包括的ケアの重要性にも着目し、医師のみならず看護師、栄養士、臨床検査技師など、幅広い医療従事者が一堂に会して意見を交わす機会としたいと考えております。
開催地である島根県の県庁所在地・松江市は、宍道湖と中海に挟まれた水の都として知られ、古くから城下町として発展してきました。国宝・松江城を中心に武家屋敷や堀川めぐりなど歴史情緒あふれる風景が残り、夕日が美しい宍道湖や温泉地・玉造温泉など自然と文化が調和しています。出雲大社にも近く、伝統と静けさに満ちた山陰を代表する都市です。島根大学医学部のあるお隣の出雲市は、「縁結びの地」として古来より人々を結んできた場所です。本学会が、研究者・臨床医・医療スタッフの新たな“縁(えにし)”を結び、互いに刺激し合いながら、より良い結石診療の未来を創造する契機となることを願っております。
令和8年盛夏、出雲の地にて皆さまとお目にかかれますことを、心より楽しみにしております。多くの先生方のご参加を賜りますようお願い申し上げます。