第75回日本農村医学会学術総会
学会長挨拶
第75回日本農村医学会学術総会

学会長  大木 進司

JA福島厚生連 白河厚生総合病院 病院長

この度、第75回日本農村医学会学術総会を担当させていいただきます福島県厚生連 白河厚生総合病院の大木進司です。光栄に存じますとともに本学会役員の方がたをはじめ、すべての会員、関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

当学会は、農村医学の発展を目指して1952年に設立され、1961年には日本医学会に 50 番目の分科会として加盟しました。当初から医師のみならず多くの組織・職種が参画する活動を継続している点が大きな特徴です。

今回、本学術総会のテーマを「地域を守り、地域とともに歩む 〜共生・共創による持続可能な地域医療〜」といたしました。現在、日本の地域医療は大きな転換点に立たされています。人口減少と少子高齢化の進行、医療従事者不足、医師の働き方改革、診療報酬改定による経営環境の変化など、課題は複雑かつ多層的です。とりわけ地方・農村地域においては、医療提供体制そのものの維持が困難になりつつあり、「誰が地域医療を担い、どのように支えていくのか」が改めて問われています。こうした状況の中で、医療機関が単独で地域医療を支えることには限界があります。地域の医師、看護師、薬剤師、リハビリ職、医療ソーシャルワーカー、事務職、介護職、行政、そして地域住民が、それぞれの役割を理解し、立場を尊重しながら連携する「共生」の視点と、新たな仕組みや価値をともに創り上げる「共創」の姿勢が、これからの地域医療には不可欠であると考えます。

さらに、いわゆる「2040年問題」を見据えると、生産年齢人口の急減と高齢者人口のピークが同時に訪れる中で、医療・介護需要は質的にも量的にも変化していきます。限られた資源の中で、いかに効率的かつ質の高い医療を提供し、地域全体で人々の暮らしと尊厳を支えていくのか。本学会は、その現実的な解を現場の視点から提示する役割を担っていると考えています。

本学術総会では、多職種が立場を越えて議論できる企画を数多く用意し、現場の実践や課題、成功例や反省例を率直に共有する場としたいと考えております。本学会が、参加される皆さま一人ひとりにとって、明日からの地域医療を考えるヒントと、新たなつながりを得る機会となることを心より願っております。
福島県での開催は、2013年に当院名誉院長である前原和平先生が主催された第62回学術総会以来、13年ぶりとなります。東日本大震災直後という大変厳しい時期にもかかわらず、全国から多くの会員の皆さまにご参加いただき、温かい励ましと大きな勇気をお寄せいただきましたことは、今も深く心に残っております。

震災から15年という節目の年に開催する今回の学術総会が、これまで支えてくださった皆さまへの感謝と恩返しの場となるよう、スタッフ一同、一丸となって準備を進めてまいります。

会場は郡山市の「ビッグパレットふくしま」を予定しております。東京から新幹線で約1時間20分とアクセスも良好です。
2026年10月8日、9日の2日間、郡山の地で皆さまとお会いできることを心より楽しみにしております。