第76回日本農村医学会学術総会、会期:2027年10月21日(木)・22日(金)、会場:ホクト文化ホール(長野県県民文化会館)、学会長:渡辺 仁(JA長野厚生連佐久総合病院 統括院長)

学会長挨拶

会長

第76回日本農村医学会学術総会

学会長 渡辺 仁
JA長野厚生連
 佐久総合病院 統括院長

この度、第76回日本農村医学会学術総会の学会長を務めます、JA長野厚生連佐久総合病院統括院長の渡辺仁です。学術総会の開催にあたり、皆さまにご挨拶申し上げます。

日本農村医学会は、農村医学の発展を目指し1952年に設立されました。第1回学術総会の会長は、当時佐久総合病院院長であった故・若月俊一です。若月は会長挨拶において、医療と衛生が十分でなかった農村の現実、そしてその中で苦しむ農民の切実な声に応えるために本学会が生まれたことを宣言しました。そして農村医学を、医師だけでなく医療・保健・福祉に携わるすべての職種が協力し、農村の医療と厚生の課題解決に具体的に取り組む、「学問のための医学」ではなく、「実践の医学」と位置付けました。

今回の学術総会のテーマは 「2040年を見据えた新たな地域づくり ~農村医学会発祥の地・佐久からの提言~」 としました。

2040年を見据えた時、人口減少と高齢化が急速に進み、農村では若い世代の減少と高齢者の減少が同時に進むことで、地域の暮らしや農業の継続が危ぶまれています。食料自給率の低さという課題を抱える農業は、国の未来にも関わる重要な局面にあります。一方、都市では人口集中により医療・介護・福祉サービスが行き届かず、別の形の困難が生じています。農村と都市は異なる課題を抱えているように見えますが、その根底には共通する構造的問題が存在しています。

こうした時代において、農村医学は実践の医学として、地域の暮らしと命を守るために、医療・福祉・行政・農業など多職種が連携して取り組むことが、今まで以上に求められています。農村と都市が互いに支え合い、持続可能な社会を築くために、農村医学が果たす役割はますます大きくなっています。

第76回学術総会では、多様な職種が集い、地域の未来をともに考え、実践へとつなげる場にしたいと考えています。これは当学会設立の精神であり、当院の理念である「医療及び文化活動をつうじ、地域づくりに貢献する」にも合致します。当院には「医療も広い意味で文化活動の一部である」という考えがあり、今回、学術総会としては異例ではありますが、当院劇団部による演劇を予定しています。文化活動は地域づくりに欠かせない要素であり、これもまた2040年を見据えた当院からの提言の一つです。講演には、広い視野から未来を語っていただける講演者をお招きするとともに、当院の医師であり芥川賞作家でもある霜田哲夫医師(ペンネーム:南木佳士)による「作家の目からみた若月俊一」というテーマの講演も予定しています。また、シンポジウムについては、当院の伝統である「学問を討論の中から」を基本に企画しております。

長野市といえば善光寺が有名ですが、来年は7年に一度の御開帳の年でもあります。ぜひ時間をみつけてご参拝してください。会場はホクト文化ホール(長野県県民文化会館)ですが、新幹線によるアクセスも良好であり、長野駅から徒歩10分の近さです。2027年10月21日・22日の2日間、長野の地で皆さまとお会いできることを楽しみにしております。