第54回日本リウマチの外科学会
会長挨拶
第54回日本リウマチの外科学会
会長 伊藤 宣

倉敷中央病院 整形外科 主任部長/京都大学医学部附属病院 臨床教授
 このたび、第54回日本リウマチの外科学会を、2025年8月29日(金)〜30日(土)の二日にわたり、倉敷市の倉敷アイビースクエアで開催させていただきます。今回で第54回となる、大変長い歴史と伝統のある本学会を担当させていただくこと、大変光栄に存じております。
 関節リウマチを中心とするリウマチ性疾患は、近年の目覚ましい薬物治療の進歩を受けて、手術治療が必要な患者数は大きく減少しています。しかし手術が必要な患者は途絶えることなく、一般整形外科の外来にもたびたび来院しているのが実情です。かえって、複雑になった薬物治療を受けながら手術治療をするには、どのように薬剤をコントロールしながら手術を行うべきか、整形外科医には必要な知識とノウハウが求められます。さらに薬物治療を受けているリウマチ性疾患患者に特有の骨関節病状、合併症の予防と対策、合併症が起きた時の対処法などの知識と技量も必要です。それに加え、日本全体の高齢化を受けて関節リウマチ患者さんも高齢化し、また高齢発症患者さんも増え、高齢関節リウマチ患者さんに特有なさまざまな併存症や、フレイルやロコモティブシンドロームなどに対する対応も求められます。我々リウマチ整形外科医に課せられた課題はまだまだ多いと実感します。
 一方、近年リウマチ整形外科医の減少が叫ばれ、日本整形外科学会や日本リウマチ学会本体でも、いかにリウマチ整形外科医をリクルートし、育てていくのか大きなテーマとなっています。確かに一般の、特に若い整形外科医にとって、リウマチ性疾患患者さんを外来や手術で扱うのはハードルが高く、どちらかといえば避けたいことなのかもしれません。しかし、我々リウマチ整形外科医からみると、関節リウマチ患者さんを治療することは、難しくともやりがいのある、達成感の高いことと感じられます。またリウマチ性疾患は、免疫学を扱うために非常に奥深く、学問的にも興味が尽きない分野です。さらに近年の治療薬の進歩によって、これまでは手を出せなかった難治性の患者さんも目覚ましく「良くする」ことができるようになっています。本学会では、このようにリウマチ整形外科でできるたくさんのことをぜひみなさんと共有し、討議して参りたいと思います。
 そのような観点から、本学会のテーマを「We Can Do It!リウマチ整形外科」とさせていただきました。リウマチ整形外科では、関節エコーやさまざまな臨床検査法を用いて、多くの鑑別困難なリウマチ性疾患を鑑別し、有効性の高い数々の薬物治療を用いて寛解を誘導し、もし関節障害が残ってしまった方には適切な手術治療で目覚ましい機能改善をもたらすことができること、さらに今後の医学の発展のために、骨関節や免疫学的手法を用いて新しい診断法、検査法、治療法の開発に携わることができることを提示したいと思います。その上で、現在ある治療法をどのように使うのが適切であるか、薬物治療の併用法や合併症の予防と治療法をどのようにすべきかを討議したいと思います。学会場で交わされた多くの討議が、参加者の方々にとって今後の指針となるように、プログラムを組みたいと思っております。
 8月末の倉敷は、まだまだ暑いかと思います。しかし全国学会が開催されることが稀なこの地に、みなさんをお迎えできること大変嬉しく思います。小さな地方都市ですが、まだ倉敷を訪れたことのない方は、ぜひお越しいただき、美観地区を中心とした名所観光と地元の食をご堪能いただければと思います。ぜひご参加のほど、よろしくお願いいたします。
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