第28回日本腹膜透析医学会学術集会・総会 会長 佐々木 環 川崎医科大学 腎臓・高血圧内科学 教授 |
第28回 日本腹膜透析医学会学術集会・総会を,令和4年11月26日(土)・27日(日)の2日間岡山で開催させていただく運びとなり大変光栄に存じております。
今回はテーマを「PD療法でwell beingを支える」,副題として「地域社会と多職種協働で叶える」といたしました。日本腹膜透析医学会は,“広く国民に対して腎不全や腹膜透析療法に関する診療・研究の進歩,発展,ならびに普及に関する事業を行い医学医療の増進並びに学術文化の発展と国民の福祉に寄与することを目的とする。”と述べており,学術集会はその中心事業となっています。この目的を念頭に置き,これまでの学術集会のテーマを繋ぎ,今回のテーマとさせていただきました。
現在の日本は世界中で一番の長寿社会となっています。しかし,平均寿命と健康寿命の間には,男女ともに約10年の乖離があります。誰しも,最晩年を要介護,寝たきりで迎えることを避けたいと願っています。次世代への負担を軽減させるためにも健康寿命を延伸させる,少子高齢化に対応することが喫緊の課題となっています。また,地域医療には「地域包括ケアシステム」を推進して「住み慣れた地域で安心して暮らせるようにすること」が求められています。長寿化に伴い腎代替療法の対峙する課題も変化しています。認知症が増加し,フレイル・サルコペニアの合併は疾患予後および生命予後に強く影響しwell-beingを損ないます。