第45回日本リンパ学会総会
会頭挨拶
第45回日本リンパ学会総会 会頭
木股敬裕

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 形成再建外科学 主任教授
第45回日本リンパ学会総会 会頭 木股敬裕 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 形成再建外科学教授
「開催様式の変更に関する緊急のお知らせ」
 謹啓 薫風の候、先生方におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
 さて、当会では、現地及びWEBのハイブリッド形式での開催を目指し、準備を進めておりました。しかし、この度、COVID-19の感染拡大により、岡山県において緊急事態宣言が発出された事を受け、現地での開催を取りやめ、WEB開催のみとさせていただく事となりました。岡山大学で6月4日(水)開催予定の「リンパ解剖セミナー」も残念ながら延期とさせていただきます。6月6日(日)開催予定の市民公開講座「悩んでいませんか肥満とむくみの悪循循環」につきましては、6月5日(土)の午後からLIVE中継を行い、さらに後日学会参加者並びに一般の方々に向けてオンデマンド配信(6月14日~28日)をさせて頂きます。
 当日、現地でのご発表、ご参加を予定されておられた先生方には、開催方式の変更にて、誠にご迷惑をお掛けいたしますがご賢察の上、ご理解賜りますようお願いいたします。
 末筆ではございますが、会員の皆様のますますのご発展とご健勝をお祈り申し上げます。

「ご挨拶」

 この度、栄ある第45回日本リンパ学会総会ならびに市民公開講座を2021年6月4日(金)~5日(土)の2日間、WEB方式にて開催させて頂くことになりました。この機会を与えて頂きました大橋俊夫理事長、ならびに常任理事、理事、評議員、会員の皆様方に深く御礼申し上げます。

 さて、本邦における近代リンパ学の流れは、日本人の解剖学先駆者である京都帝国大学足立文太郎教授を創始とし、その門下によって拓かれています。この足立文太郎教授は、第3高等学校解剖学教室(現岡山大学人体構成学分野)の第3代教授(明治28~33年)を務められ、リンパ系を含めた脈管学の研究を展開されました。昭和52年に日本脈管学会の分科会として発足した本学会は、その流れを引き継ぎ、解剖学のみならず循環、免疫、腫瘍、そして臨床系分野も含めて幅広く発展してきています。私ども岡山大学形成外科学教室におきましては、足立文太郎教授の歴史を踏まえ、この岡山の地で総会をお世話させて頂くことを身に余る光栄と感じております。

 本学会では、これまで循環器学、免疫学、腫瘍学を3つの柱に据え、基礎・臨床医学研究者や生物学者を含めた多方面の研究者が、素晴らしい研究成果を報告してきました。難治性リンパ浮腫では、臨床医からパラメディカルに至るまでの幅広い職種で討論される場となってきました。リンパ系自体が非常に多岐にわたる重要な機能と病態生理に関与していることの現れです。そしてその目的は、優れた研究成果を患者さんの診断と治療、さらには国民の健康維持に寄与するところにあります。そこで、様々なアプローチから機能と病態生理の本質を探り、その成果に依る臨床応用への深い展開が患者さんの未来に繫がることを期待して、第45回総会のテーマを「本質の探究と臨床への深化」とさせていただきました。
 最新研究の講演に加え、テーマに準じた研究者と医療者間で情報交換と活発な討論ができるシンポジウムも企画しております。多くの会員の皆様にぜひ新しい知見をご報告していただき、活発な討論が展開されますようにお願いいたします。

 COVID-19の感染拡大により、WEB開催となり残念ではありますが、実り多い学会となりますよう、お力添えのほどをどうぞよろしくお願いいたします。