第30回小児集中治療ワークショップ 大会長　戸田 雄一郎 川崎医科大学　麻酔・集中治療医学2

　歴史ある小児集中治療研究会主催の記念すべき第30回ワークショップを担当させていただくことになりました。川崎医科大学　麻酔・集中治療医学の戸田です。このワークショップは重症小児の診療に関わるすべての方のために諸先輩方が築き上げてきた由緒ある会で、大会を主催するにあたり身の引き締まる思いであります。わたし自身は長年岡山大学に勤務し小児心臓手術の周術期管理に関わって参りました。心疾患をもつ子供は非常に繊細な管理が必要なことが多く、そのケアには医師のみならず多くの医療職や家族の関わりが不可欠です。生死を彷徨うこともある心疾患患児が劇的な快復をみることも多く、そのダイナミックな変化に大きな喜びを感じながら職務に就かれている方も少なくないと想像いたします。大会長の個人的な思いから今回のテーマを「循環をきわめる」とさせていただき多くの時間を先天性心疾患の管理にあてました。詳細は後日公開いたしますプログラムで是非ご確認ください。
　またもちろんですが、循環以外の重要なテーマに関するセッションも設けます。小児集中治療において重要な多職種の関わりのこと、倫理の問題、将来のこの領域に関わる後進の育成、例年好評のハンズオンなどにも力をいれて実りのあるワークショップにしていきたいと考えております。
　コロナ禍も過去のものになりつつあり街には観光客の姿も多く見られるようになりました。幸いなことに世界有数の施設であるカナダのトロント小児病院、通称Sick KidsからPICUの部長Steven Schwartz先生をお招きして講演いただくことが叶いました。素晴らしいお話を拝聴できることが今からとても楽しみです。今回祝日を日程にあて、土曜夕方には会を終えることにいたしました。コロナでの自粛生活から日常を取り戻す時が参ったと思っています。是非日曜日は岡山にとどまって美観地区などの歴史感あふれる街並みをお楽しみください。もちろん少し足をのばせば、瀬戸内の素晴らしい景観にも出会えます。瀬戸内海に浮かぶ直島をはじめとするアートの島並に魅了されること間違いありません。ご興味ある方は備前を訪れ焼き物体験をするのも一興です。雨の少ない岡山を是非ご堪能ください。みなさまのご参加をこころよりお待ちしております。