第38回日本小児外科学会秋季シンポジウム
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会長挨拶
第38回日本小児外科学会秋季シンポジウム
会長 野田 卓男

岡山大学病院 小児外科
このたび第38回日本小児外科学会秋季シンポジウム会長を仰せつかりました。伝統ある日本小児外科学会秋季シンポジウムを運営させていただく機会を与えていただき感謝いたしますとともに、身の引き締まる思いです。中国地方では秋季シンポジウムの開催は初めてのことで、大変光栄に思います。
今回の主題は「小児外科治療後のサルベージ」です。小児外科医は病めるこども達のため、最良の治療を行うべく日々奮闘しています。しかし、中には予想に反する結果となってしまうこともあります。そのような時にいかに対処すべきか、を学会という場で議論することは非常に有意義なことです。
“サルベージ”は、一般的な意味合いとしては“救助”ということです。医療の分野で用いられる“サルベージ治療”は、明確な定義はありませんが癌治療において標準的な治療に反応しない場合に行われる治療法、として用いられることが多く、他に、悪性疾患の再発時や手術後の遺残に対する治療としても用いられるようです。
今回取り上げる「小児外科治療後のサルベージ」では、広く小児外科疾患(悪性に限らない)に対する治療後に期待した結果が得られなかった場合の対処、あるいは手術などで合併症が発症した時の治療を念頭に置いています。懸命な治療にも関わらず良い結果が得られなかった時、患者側も医療者側もとてもつらく沈みがちですが、それに立ち向かうことこそ小児外科医の使命であり真骨頂だと思います。いろいろな小児外科疾患に対する治療後のサルベージを多く発表していただき議論することで、標準的な治療法以外のオプションが増えるだけでなく、なぜ治療(手術)がうまくいかなかったのか、どうして合併症が起こってしまったのか、という知見も得られるはずです。日頃の診療に直結する主題ですので、多くの演題を発表していただきより良い治療(手術)の確立につなげたいと考えています。
2021年12月の時点では新型コロナ感染は下火になっていますが、今後オミクロン株の動向により完全にコロナを払拭することはできないのかもしれません。しかし、2022年10月は岡山で現地開催ができることを祈りつつ準備を進めてまいります。できるだけ多くの皆様に参加していただき熱い議論を行い、病めるこども達の力になれるような実のあるシンポジウムにしたいと思います。ぜひ、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
第41回日本小児内視鏡外科・手術手技研究会
会長 石橋 広樹

徳島大学病院 小児外科・小児内視鏡外科
 この度、第38回日本小児外科学会秋季シンポジウムとPSJMの一環として、第41回日本小児内視鏡外科・手術手技研究会を開催させて頂くことになりました。歴史と伝統あるこの研究会を担当させて頂くことは身に余る光栄であり、会員の皆様に感謝申し上げます。
 徳島大学としては、嵩原裕夫先生が2000年に第20回日本小児外科手術手技研究会と第4回日本小児内視鏡手術研究会の2つの研究会を初めて合同で、沖縄・宮古島で開催して以来となります。このとき、現地で運営のお手伝いをしましたが、研究会はもちろん南国リゾート地ということもあり非常に楽しかった思い出があります。
 今回の研究会では、テーマを「小児外科手術の定型化と技術継承」としました。さらに主題として、1 : 手術の定型化と術後合併症を減らす工夫、2:手術手技のトレーニング・継承の工夫、3:LPECを究めるの3つを挙げました。小児外科手術における困難性の一つとして、手術症例数が少ないことがあります。希少疾患が多いため、各施設で年間1〜2回しか行われない手術も多いと思います。そのため、術後合併症を減らして、さらには若手への手術手技継承を行うためにも、手技の定型化は必須と思われます。そこで、各施設での小児外科手術の手技の定型化の現況や工夫あるいは手術手技のトレーニング・継承の工夫について演題を募集し、皆様と討議して勉強したいと考えました。また、私自身は、嵩原先生のもとで小児鼠径ヘルニアに対するLPECの手術に開発段階から携わってきましたので、LPECに関するあらゆる演題も募集したいと思います。まとまった演題が集まれば上級演題としてのプログラムも考えています。
 コロナウイルス(COVID-19)の感染流行は、先がまだまだ見通せない状況であり、研究会の開催形態も未確定ですが、できるかぎり多くの皆様のご参加、ご協力を賜り、実りある研究会にしたいと思っております。ご支援どうぞよろしくお願い申し上げます。
第78回 直腸肛門奇形研究会
会長 黒田 達夫

慶應義塾大学 小児外科
 この度、第78回直腸肛門奇形研究会の会長を拝命し、第38回日本小児外科学会秋季シンポジウムと共にPSJM2022の一環として岡山での開催をお世話させて頂くことになりました。
 今回の主題は「直腸肛門奇形の発生学から長期成績へ」とさせて頂きました。本研究会ではこれまで4,000例に及ぶ国内の直腸肛門奇形症例の中央診断により確定された病型の登録を行ってまいりました。これらは他に類を見ない本研究会の大きな財産であり、直腸肛門奇形の発生学に関しても色々な情報を与えてくれました。そうした背景に鑑み、さらに発生学的に示唆に富む症例を研究会の場に持ち寄り、色々な視点から議論して、直腸肛門奇形の発生学的背景に対する理解を深めてゆくことは臨床的にも大きな意義を持つように思います。先達が考えた直腸肛門奇形の発生学的背景に回帰し、その是非を検討し、そこから温存すべき骨盤底筋群や神経に関する理解を深めて、長期成績のさらなる改善に向かうことが出来ればというのが、今回の主題の狙いです。そうした視点から、興味ある症例をできるだけ沢山、研究会で呈示頂ければ幸いです。もちろん従来と同様に直腸肛門奇形の手術、臨床的な問題点など、一般演題も広く受け付けております。皆様からの沢山の演題応募を何卒よろしくお願い申し上げます。
 新型コロナウイルス感染は新たな株の出現など、未だに安定した終息を迎えておりません。今回もハイブリッド形式での学術集会となり、議論を進める上で不便なことも多いかと思いますが、学術の灯を消さないように、研究会を盛り上げたいと思いますので、皆様のお力添えを重ねてお願い致します。
第26回日本小児外科漢方研究会
会長 越永 従道

日本大学医学部 外科学系小児外科学分野

 第26回日本小児外科漢方研究会を担当させていただくことになり大変光栄に存じております。第38回日本小児外科学会秋季シンポジウムと同時期にPSJM2022として開催いたします。昨年は新型コロナウィルス感染症のため、ハイブリッド開催となりました。セッションではウェブを介して質疑応答がなされ、滞りなく研究会が開催されたことは、誠に敬意に値するものと思っております。これも松藤前会長をはじめスタッフの方々のご尽力と参加された先生方のご支援によるものと思います。今後はすべてウェブ開催でもよいのかと思わせる程の成功です。しかし皆さんのお顔を拝見したいという衝動に駆られ、今回は是非対面形式で開催できたらと大きく期待しております。
 私たち小児外科医は常に外科治療の限界を知るからゆえに、漢方治療に期待をかけています。わが国で小児外科が開始された時期には、患児の救命が最も大きな目的とされました。しかし、先人の努力により救命率が上昇すると、術後患児の合併症や続発症などによる生活の質を低下させないことが目標とされるようになっています。そのとき私たちはなんとか手術以外の補助治療で生活の質が少しでも向上できないかと考えます。そんな時に漢方治療が大きく期待されます。
 第26回本研究会では、主題を「小児外科医に身近な漢方治療」といたしました。小児外科手術を含め、日常の漢方治療におけるご経験を広く募集します。

 基礎から臨床に至る研究を通じて、伝統ある本研究会から国際的な発信ができるよう期待しております。2022年の秋には、新型コロナウィルス感染症も終息し、東京で皆さんのお顔を拝見できることを楽しみにしております。
第51回 日本小児外科代謝研究会
会長 保木 昌徳

大阪物療大学 保健医療学部
 このたび、PSJM2022の一環として伝統ある第51回日本小児外科代謝研究会を開催させていただくことになり身の引き締まる思いでございます。
 ここ2年間は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で多くの学術集会が中止・延期となったり開催できてもオンラインであったりと会員が一堂に会し議論することが少なくなりました。秋季シンポジウム会長の野田先生が岡山の地で現地開催を目指しておられますので、数年ぶりに皆様にお会いできますことを何より楽しみにしております。
 出身医局である大阪大学小児外科関連での開催は、第7回(岡田正)、第33回(窪田昭男)、第36回(和佐勝史)、第42回(米倉竹夫)、第46回(川原央好)そして昨年の第50回(奥山宏臣)に続いて7回目となります。私自身も、長年、小児外科手術における代謝と栄養学、および侵襲学の重要性について学び、多くの仲間たちとともに代謝・栄養・侵襲学の研究を進めて参りましただけに大変光栄で名誉あることと感激しおります。
 昨今では様々な低侵襲手術などの進歩とともに小児外科手術の安全性も著しく高まりましたが、一方で多くの小児外科疾患の稀少性、併存症の存在などにより未だ思わぬ合併症や解決困難な病態に直面する症例も多いのも事実です。このような症例では、周術期における代謝・栄養療法が合併症発生の抑制や長期のQOLに大きく影響します。
 NSTの普及などによって栄養分野が再認識されるようにはなってはきましたが、時代とともに小児外科医もこの領域に携わったり関心を示したりする者が少なくなってきていることも事実です。そこで、今回のテーマは、『次の50年を見据えた小児周術期管理』とさせていただき、幅広く基礎から応用まで小児外科代謝学、栄養学、侵襲学の演題を募集したいと存じます。皆様のご発表から今日的な課題を浮き彫りにできれば幸甚です。もちろん、医師以外の職種の方々のご発表も歓迎いたします。
 多くの皆様の現地でのご参加、ご協力を賜り、次の50年の第一歩としてさらなる発展に繋げることができるような実りある研究会にしたいと思っております。ご支援どうぞよろしくお願い申し上げます。
 最後に皆様方のますますのご発展をお祈り申し上げます。
第32回 日本小児呼吸器外科研究会
会長 金森  豊

国立成育医療研究センター 小児外科系専門診療部外科
 このたびは第32回日本小児呼吸器外科研究会の会長にご指名いただきまして誠に光栄に存じます。本研究会会員の方々に厚く御礼申し上げます。歴史ある本研究会の発展に少しでも貢献できます様に企画・運営をしてまいりますので何卒ご協力のほどよろしくお願いいたします。
 実はPSJM2020において会長を拝命いたしましたがコロナ禍で中止となり、PSJM2021では秋季シンポジウムと重なって交代、といったことで3年越しの再企画となりますが、以前から考えていたことを復活させて取り上げることにいたしました。
 まず一つ目の主題といたしまして、先天性嚢胞性肺疾患の長期予後、特に手術治療を行わない場合の長期予後について検討してみたいと思います。これは胎児診断例が多くなってきていることから、無症状の症例に対しての手術適応を考えるうえで重要な情報となると考えております。胎児診断された水腎症の多くは無治療で軽快するといった事象が明らかになりましたが、翻って呼吸器疾患では無症状で経過する症例はどれくらいあるのか、あるいはどのような症例が無症状での自然経過をとるのか、を明らかにできればと考えております。多くの胎児診断例が手術治療を受けていると思われる現状では難しい議論になることも予想されますが、まずは非手術症例の集積ができればこれまでにない新しい知見が出てくる可能性があると思っております。皆様の御施設で非手術症例の集積があれば提示をお願いいたします。また、これに関連して本疾患に対して成人期に手術治療をした症例の現状も情報共有できればと考えております。
 またもう一つの主題として、胎児診断例が増加している現状を鑑みて、本疾患に対する胎児診断についての課題や限界などを議論したいと思っております。胎児診断に係る様々な問題をご呈示いただければと思います。
 他にも小児呼吸器外科学に関する演題を募集いたしますので、ふるってご応募いただきますように重ねてご協力のほどよろしくお願いいたします。2022年秋にはコロナ感染の状況が好転しておりますことを祈念しつつ、本研究会開催のご挨拶とさせていただきます。