このたびの第36回日本産業衛生学会全国協議会開催地の倉敷は、産業衛生の歴史に深く関わりのある地です。
約一世紀前、倉敷労働科学研究所を拠点として、産業衛生の全国的制度化を求める議論が進められ、昭和 4 年には「産業衛生協議会 創立総会」が正式に開催されました。本大会は、その出発点である倉敷に再び戻る、極めて意義深い機会です。
テーマに掲げた「ここから始まった感謝の旅路」には、先人たちの努力に感謝し、その想いを未来へつなぐ場としたいという願いを込めています。
現代の産業保健を取り巻く環境は、化学物質管理の自律化、過労死防止と医師の過重労働対策、熱中症対策、メンタルヘルス対策、自然災害や感染症対応など、多様で複雑な課題に直面しています。また、AI やウェアラブル端末、VR などのデジタル技術が導入され、従来の枠を超えた実践が進む一方で、現場力と科学的根拠を融合した柔軟な対応が求められています。
こうした変革期において、専門職・研究者が集い、最新の知見を共有し、実効性ある対策について議論を交わし、若手を含む人材育成の機会とすること、これこそが全国協議会の使命であり、本大会の最大の目的です。
本大会は、全国の産業保健関係者が集う貴重な場です。多くの皆さまにご参加いただき、活発な意見交換を通じて新たな産業保健の可能性を切り拓けることを願っています。
なお、円滑な大会運営には経済的なご支援も不可欠です。誠に恐縮ではございますが、本趣旨をご理解のうえ、格別のご協賛を賜りますようお願い申し上げます。
第36回日本産業衛生学会全国協議会
企画運営委員長 伊藤 達男
(川崎医科大学 衛生学教室)