第68回 関西胸部外科学会学術集会
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三重大学大学院医学系研究科
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第68回関西胸部外科学会学術集会
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会長挨拶

第68回 関西胸部外科学会学術集会
会長  高尾 仁二

(三重大学大学院医学系研究科 胸部心臓血管外科学 教授)

このたび、第68回関西胸部外科学会学術集会を令和7年(2025年)6月19日(木)、20日(金)の両日に三重県総合文化センター(津市)で開催させていただくこととなりました。
光栄にも、当教室では第11回 (1968年)を故久保克行先生、第31回 (1988年)を故草川實先生、第45回(2002年)を矢田公先生、第59回(2016年)を新保秀人先生と歴代教授が学術集会会長を務めさせていただいており、今回またその機会をお与えいただきました会員の皆様に厚く御礼申し上げます。

デジタル化、人工知能(AI)の急激な普及とともに、医学全般、日常臨床の進歩もとどまることを知らない現代ですが、一方で個人の価値観、生活スタイル、多様性も重要な価値として譲れないものとなっています。今回のテーマはWork Together and Move Forward!としておりますが、これは勇ましい号令ではなく、一人では何も成し遂げられない社会、旧来の価値観、方法に拘っていてはすぐに時代に取り残されてしまうよという気持ちで決めさせていただきました。

日本胸部外科学会及びその地方会である本会におきましても、伝統の上に立ちつつも、現在のアクティブメンバー、将来の研修医、医学生のために何をなしうるかが問われており、その存続意義に関わる問題だと考えています。おそらく、一つの答えは出ませんが、会員各自の現状、環境に応じたBestがあると思いますので、その答えを見つけて先へ前進する糧やそのヒントを見つけていただくことができれば、会長としての本望です。

個人が社会において『歯車』としての役割を期待されていた過去とは決別して、ロボットにはできない創造をすることこそが我々人類の本質だと考えます。大きな事ではなく、身近なことから始めましょう。本会も分野別会長の庄村遊先生(心臓血管外科分野)、大井正貴先生(食道外科分野)をはじめ、関連施設のメンバー一丸で従来の形式、慣習に囚われず、会員各自が挑戦、トライする場になるように、準備したいと考えています。
皆様の積極的な参加をお待ちしています。

もちろん、折角、三重の地までお越しになられるのであれば、Work Together and Move Forward!の裏メッセージでもある『よく遊ぶ』も実践してください。

第68回 関西胸部外科学会学術集会
心臓血管外科分野  庄村 遊

(三重大学大学院医学系研究科 胸部心臓血管外科学 病院教授)

心臓血管外科分野を担当させていただく庄村と申します。前回、前々回と大都市でしたが、今回、地方都市である三重県津市にて、会長の高尾仁二先生、食道外科分野会長の大井正貴先生と共に開催させていただきます。貴重な機会をお与えいただき、理事の先生方をはじめ評議員、会員の先生方に厚く御礼申し上げます。

時代の流れとも言えますが、Work-life balance重視の価値観を持つ医師が増加しており、昔の価値観の私などは、医学生、研修医が外科医を選択しなくなる事はもちろん、将来、心臓血管外科を専攻する若い医師がいなくなるのではと大変危惧しております。
心臓血管外科はカテーテル治療をはじめ昨今のロボットや完全鏡視下手術を含む低侵襲手術から、高侵襲の超低体温循環停止下手術まで様々な術式があります。これらの手技の知見を深めるには道のりは遠く平坦ではありません。現在、心臓血管外科専門医認定機構のもと、専門医育成の研修プログラムが全国に100程度認めますが、専攻医にとって執刀医になるためのプロセスが見通せないとの意見もあります。
今回、これらの現状を踏まえて、微力ではありますが、将来の心臓血管外科医を目指す、学生、研修医に向けて魅力のある企画を考えております。三重県の観光を含めて、皆様の病院で勉強されている学生や研修医の皆様もお待ちしております。

また、今回のテーマであるWork Together and Move Forward!の様に、本会の主幹である食道外科医、呼吸器外科医、心臓血管外科医の連携を再確認し、新しい胸部外科医育成へのつなぐ上でも、会場ではFace-to-faceで本音を語れる会にしたいと考えています。私の本音として一つ示します。本格的に始まった働き方改革のもと、チーム医療の推進、診療体制の合理化、すなわち、施設の集約化へ向かおうとしております。しかしながら、地方都市の場合、一足飛びでの集約化ではなく、役割を分担する形での病院間のチーム医療など各地区の事情に応じた対応も出来るのではないでしょうか。

皆様が日々の臨床・研究から一歩離れて、自由で活発な討議につながるように努めて参ります。沢山の先生方の演題登録、ご参加をお待ちしております。

第68回 関西胸部外科学会学術集会
食道外科分野  大井 正貴

(三重大学大学院医学系研究科 消化管・小児外科学 病院教授)

 この度、第68回関西胸部外科学会学術集会の食道外科分野会長の任を賜り、会長の高尾仁二先生、心臓血管外科分野会長の庄村遊先生と共に2025年6月19日~6月20日に三重県津市で開催させていただくこととなりました。三重県での開催は2016年の開催依頼9年ぶりとなります。貴重な機会をお与えいただき、理事の先生方をはじめ評議員、会員の先生方に厚く御礼申し上げます。
 今回のテーマであるWork Together and Move Forward!を食道外科分野に当てはめて、以下の2つを考えております。食道癌の治療は、近年のロボット手術をはじめとする低侵襲手術の普及、免疫チェックポイント阻害剤の登場、その他新規治療の発達により多様化の時代になってきました。また周術期管理が進歩し、術後機能維持が求められるようになってきております。しかし今の最先端の治療技術がそれぞれに発達するだけでは食道癌の予後を改善させるのは限界があり、いかにそれぞれの治療を組み合わせて治療成績向上と患者のQOLの向上をめざすかが大事なことは言うまでもありません。まさに関連分野間の密な連携、チーム医療の推進により、ベストな答えを見つけて前進しいくことの重要性が今回のテーマに込められています。
 また、2024年から始まった働き方改革により、タスクシフト/シェアの検討・推進、カンファレンスなどの時間内実施および時間短縮、診療体制の合理化(チーム医療制)などが行われるようになりました。胸部外科領域に携わる外科医の労働環境の悪化や医療・研究の質の低下がないように、チーム連携の推進や何より外科医の人数確保が重要です。今回のテーマのもう1つは是非本学術集会に若手外科医や外科医を目指す研修医や医学生が参加し、発表、発言などをする機会としていただき、一人でも多くの外科医が増えるきっかけとなっていただければと存じます。

 本学術集会を通じまして関連する疾患領域として、分野を超えて共に学び、それぞれの経験と知識を共有する場になるよう、微力ながら貢献できるよう努めてまいります。是非多くの先生方にご参加を賜り、さらなる発展の機会として頂くとともに三重の食と地酒をご堪能していただければと願っております。皆様のご参加をお待ち申し上げております。

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