第132回日本解剖学会総会・全国学術集会
会頭 大内 淑代
岡山大学学術研究院医歯薬学域細胞組織学分野
第132回日本解剖学会総会・全国学術集会(132JAA)を、2027年3月18日(木)から20日(土)までの3日間、岡山大学鹿田キャンパスにて開催いたします。132JAAは、第12回アジア太平洋国際解剖学会議(APICA2027)(池上浩司会頭、広島大学、会期:同年3月17日〜19日)と併催いたします。
130年以上の歴史を持つ日本解剖学会は、アジア太平洋地域の解剖学の発展にも貢献し、1996年に日中韓が中心となってアジア太平洋国際解剖学会議(APICA)を発足させました。今回、2002年の第3回APICA以来25年ぶりに日本開催の運びとなり、132JAAの講演や発表の多くを英語化し、合同大会として実施いたします。日本全国はもとより、アジア太平洋地域の研究者、教育者、技術者、そして次世代を担う学生が岡山に結集し、活発な議論を行うとともに人的交流を深め、医療と医学の未来を見据えた、動的で発展的かつ協奏的な知見を創造しましょう。
臨床医学・歯学・獣医学の土台となる解剖学は、医療技術の深化や疾病の診断・治療に欠かせない学問領域であり、現代医療において益々その重要性を増しています。本大会テーマを「Synergy and Emergence — Anatomy for Well-Being. 相乗と創発:ウェルビーイングへの解剖学」としました。シナジーとエマージェンス、いずれも複数の要素が組み合わさることで新たな特性や効果を生むことです。しかし、二つの言葉には違いがあり、計画的で予想可能な効果(Synergy)と予期せぬ新規な特性の出現(Emergence)とを意味します。両者が相まることで、解剖学関連学理の追求とその医学・歯学・獣医学への貢献が一層深まることでしょう。解剖学の研究と教育、解剖学研究技術の開発が人と人との学術交流を通して格段に進展、深化することへの期待を込めました。一方、こうした研究・開発の営みや、組織学および解剖学の学生実習やCSTに懸命に取り組むあまり、解剖学に関わるすべての人が良い状態にあり、幸せであることへの配慮が欠けてはならないという思いに加え、解剖学の究極の目的、学問の方向性が人々のwell-beingを実現するためであることを示しました。このようなテーマのもと本大会では、様々な分野の研究、教育、技術を専門とする学徒が集い、医学・歯学・獣医学を解剖学の視点から捉え直し、次世代に受け継ぐ場を提供します。
岡山大学は過去にも日本解剖学会総会・全国学術集会の主催を担ったことがありました。戦後間もない1946年 第51回は、岡山市内の戦禍が未だ癒えず東京帝国大学をお借りして、1970年 第75回は岡山農業会館で、2009年 第114回は岡山理科大学で開催しました。そして今回、初めて第132回全国学術集会を岡山大学医療系キャンパスで開催することとなりました。副会頭の浅沼幹人教授(脳神経機構学)、川口綾乃教授(人体構成学)、岡村裕彦教授(口腔形態学)、沢禎彦教授(口腔機能解剖学)と共に、岡山大学解剖学5講座が一丸となり本大会が滞りなく開催されるよう尽力する所存です。
岡山市には日本三大庭園の一つである後楽園、岡山城(烏城)、温羅伝説の吉備津神社があり、少し足を延ばすと倉敷美観地区や瀬戸内海国立公園、津山洋学資料館など数多くの名勝があります。学会参加に引き続いて、春の一時をお楽しみ下さいますようご案内いたします。
皆様が「Synergy and Emergence — Anatomy for Well-Being. 相乗と創発:ウェルビーイングへの解剖学」について自由に思いを巡らせ、ご参加下さることを切に願っております。よろしくお願い申し上げます。