第51回日本股関節学会学術集会
会長挨拶
第51回日本股関節学会学術集会
会長 三谷 茂
川崎医科大学 脊椎・関節整形外科学 教授

 このたび、第51回日本股関節学会学術集会を岡山市で開催させて頂きますことを、大変光栄に存じております。本学術集会は令和6年10月25日(金) 26日(土)の2日間の日程で、岡山駅に隣接した岡山コンベンションセンターを中心とした施設で開催させて頂きます。
 中国地方で本学術集会が開催されますのは、平成25年に広島大学の安永裕司先生が第40回を開催したのに続いて2回目となります。令和2年から始まった新型コロナウィルス感染症は5類相当に移行し、学会やスポーツ観戦などの多人数が参加する行事も以前の状態を取り戻しています。会員の方々と直接お会いしての学会開催で、有意義で満足していただける学術集会となりますよう、川崎医科大学医局ならびに同門会一同準備に取り組んでいきます。
 私の手元にある一番古い学会誌(Hip Joint)は第15巻で平成2年発行のものです。その内容は、変形性股関節症の自然経過、病態、治療、股関節周囲骨折、大腿骨頭無腐性壊死、小児股関節疾患となっていました。30年前と現在では隔世の感があります。変形性股関節症だけをとってみても、FAIなどの新たな病態の解明、超音波やMRIなどの画像診断技術の進歩、股関節鏡やコンピューター支援手術の普及など、格段の進歩をとげています。そこで本学術集会のテーマは「Hip Disorders Reborn, again from cradle to centenarian」といたしました。現在に合わせて股関節学の整理を行うことが目的です。また、私自身は故田邊剛造岡山大学名誉教授に直接指導していただいた最後の弟子にあたりますので、発育性股関節形成不全の治療とその後の二次性股関節症発症の予防についても、アップデートできたらと考えています。その他の股関節疾患もあわせて、小児期から高齢者に至るまで治療をシームレスにおこなえるように、副題を「もう一度ゆりかごから墓場まで」といたしました。
 岡山県は全国で一番晴れの日が多いことから、“晴れの国おかやま”と称して観光事業を展開しています。県北部には美作三湯をはじめとする温泉や西の軽井沢・蒜山高原が、県南部には風光明媚な瀬戸内海の風景が広がっており、山の幸、海の幸が豊富に存在します。岡山市には日本三名園のひとつ後楽園があり、その周辺にはたくさんの博物館や美術館も集まっています。川崎医科大学が位置する倉敷市には古い町並みで名高い美観地区があります。また、学術集会のポスターに使用しているジーンズストリートは国産ジーンズ発祥の地の倉敷市児島地区にあります。いずれもJRで20分程度の距離にあります。じっくりと討論した後に、岡山県の自然や文化にもふれて頂ければと思います。
 紅葉の季節には少し早いですが、“晴れの国おかやま”の名に違わぬことを期待して頂き、全国から多数の先生方のご参加を心からお待ち申し上げております。

令和5年12月吉日

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