第20回日本慢性看護学会学術集会
会長 森本 美智子
岡山大学学術研究院保健学域
このたび、第20回日本慢性看護学会学術集会を2026年7月11日(土)・12日(日)の2日間、岡山市の岡山コンベンションセンターにおいて開催させていただくことになりました。中四国での日本慢性看護学会学術集会の開催は初めてになります。第20回という記念すべき回を岡山で開催できますこと、光栄に感じております。学会場はJR岡山駅から直結し、徒歩3分と利便性のよいところにあります。
本学術集会のテーマは、「ともに創る・ともに奏でる」といたしました。患者さんと医療者、慢性看護に携わる看護者と異なる職種の人々が協働し、新たな価値や意味を創りだしていこう、人と人とが手をとりあい、ともに未来を奏でようという思いを込めたテーマになります。研究を通してエビデンスをともに創り、未来を奏でていこうという学術的な意味も込めております。
慢性疾患には、多岐にわたる疾患が含まれますが、その病態はさまざまで複雑です。治ることのない病を抱え、患者さんたちが人生を生きることには多くの課題や困難も伴います。治療法が進歩するなかで、選択肢が増えてきたことは朗報ですが、一方で、患者さんの背景や価値観は多様化してきており、その決定を支え、人生の終焉まで患者さんが意味ある暮らし・人生を歩めるよう支援していく重要性はますます高まっています。学術集会で我々は、患者さんご本人の語りや体験を尊重しながら、看護職をはじめとする多職種とともに最新の知を共有し深化させ、課題解決に向け、慢性看護の未来をともに創り・奏でていくことを目指したいと思います。
今回の学術集会では、臨床倫理研究所代表理事の清水哲郎先生による「慢性疾患のトラジェクトリーに沿った意思決定支援:臨床倫理の視点から」と題した基調講演をはじめとして、多彩なプログラムをご用意しております。まずはこの基調講演を通して、自らのケアに向かう姿勢を問い、患者さんや家族と協働でケアをすすめていくあり方について、洞察を得られることと思います。特別講演では、山口育子先生による患者さんと医療者が協働する医療に関するご講演、吉村学先生による住民・多職種でともに創る地域医療に関するご講演、中山芳一先生による非認知能力に関するご講演などを取り上げます。
シンポジウムでは、「慢性看護のフロントランナー」として第一線でご活躍の研究者に話題提供していただき、研究に関する議論を展開します。また「慢性疾患とがんを併発した患者への看護」として、日本がん看護学会様との合同企画を設け、これまで別々に議論されることが多かった慢性疾患、がんを併せ持つ患者を全人的に看護する視点から意見を交わす場を設けます。他学会との合同企画は本学会では初めての試みになります。学会を超えて議論を展開していくことは、連携協働といった観点から、慢性看護における実践の質を高めるうえで極めて重要であり、活発な意見交換が期待されます。
また、当事者参加型セミナーを設け、患者さんご本人にもご登壇いただき、その語り・体験から、病むこと・病をもちつつ生きることについて理解を深める機会をご用意しております。このセッションは、私たち看護者の視点や視野を広げ、ともに創る・ともに奏でるという慢性看護の未来にとって意義深いものと考えております。さらにミニレクチャーでは、理論や生成AIの活用法といった研究手法についても取り上げます。我々の実践知を基盤とする技術開発を学ぶことができる、ものづくりワークショップも開催いたします。このセッションでは、日々の臨床におけるニーズや困りごとをカタチにする、真の課題に気づき、それに対する適切な介入を考え、創り出していくステップを学びます。楽しみながら臨床での困りごとを異なる角度から考える機会になり、物事の本質に近づく一歩になることでしょう。
上記のプログラムに加え、最新の研究成果や実践を共有する演題発表、参加者同士の交流を深める交流集会など、皆様の興味関心に応じて選択できるセッションをご用意しております。
第20回という記念すべき集会を、魅力的な場にすべく、企画委員一同、鋭意準備を進めております。本学術集会を皆様と共に成功に導きたいと考え、一層のご支援をお願いするとともに、多くの皆様の参加を心からお待ちしております。
なお一部のプログラムについては、オンデマンドで聴講ができるように学習の機会を提供する予定です。講演・レクチャーの受講修了証の発行も計画しております。