第38回日本老年泌尿器科学会 会長 久米 春喜 東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学分野 教授 |
この度、第38回日本老年泌尿器科学会を開催することになりました。2025年7月11日、12日の二日間、東京、御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターで行う予定です。
今回は「高齢者のがんに、みんなで取り組む」をメインテーマとさせていただきました。ご存じのように、日本が超高齢社会になって10年以上が経過していますが、最近は65歳以上の人口割合は30%近くにもなっています。このような社会の高齢化に伴い、当然、我々泌尿器科医療に携わるものが対応すべき患者の高齢化は進んでいます。
高齢者の泌尿器疾患に多職種で取り組むのが本学会の目的です。以前は排尿管理、介護といった内容が中心でしたが、近年、高齢者の悪性腫瘍患者の増加に伴い、本学会でもがんの診断・治療に関する演題も増えてきました。
高齢者にはフレイル、サルコペニア、ポリファーマシー、など考えなくてはならない問題が多く存在します。健康状態、身体機能、認知機能などは個人差が大きく、これらをいかに客観的に評価するかが求められています。現在、様々な評価ツールが開発され、臨床に応用され始め、その有用性が証明されつつあります。しかしながら、現実には、医療者の中での認知度はそれほど高くはありません。
本学会では高齢者のがん診療に関する様々な問題点についてじっくりと取り組んでゆきたいと思います。もちろん、がんだけでなく他の領域についても充実したプログラムを用意するつもりです。
本学会が実り多きものとなるよう、我々教室員一同、鋭意準備を進めております。